韓国の「森教育」幼稚園と有機栽培

(2017年5月旧Webサイトに掲載されたものです)

先日のストロベリーピッキング、さすがに有機栽培農園では一般客を入れる事はないので、自然由来の農薬や肥料を利用しているという農園を選んで行きました。有機栽培が農薬を使う場合より断然手間暇がかかることは予想できるところですよね。さて、今日は有機栽培農園のつながりで、そういえば子供たちが韓国で通った幼稚園がなかなか凄い!という話です。

韓国では公立小学校に併設された公立幼稚園と、私立幼稚園に大きく分かれます。小・中学校においては私立校が殆どない韓国ですが、義務教育ではない保育園と幼稚園においては、ハグウォンと呼ばれる塾と同様にビジネス化がすすんでいて、私立幼稚園はとても多く存在します。私立幼稚園には、普通の幼稚園、英語幼稚園、そしてこの数年増加しているのが、「森」幼稚園という認定をうけているもの、それとインターナショナルスクールです。

(注)
公立幼稚園:公立小学校に付属していて、アメリカのキンダーみたいな感じ。教育課程は1年間のアメリカキンダーとは違い、日本と同じ3歳から5歳の幼稚園システム。
私立幼稚園:3歳から5歳の幼稚園。日本のような小・中・高へ付属はなく、独立した幼稚園のみ。森幼稚園はここに属します。
私立英語幼稚園:基本的に普通の私立幼稚園と同じ。違いは日常会話で英語に慣れさせ、英語教材を多く使用するシステム。インターナショナルスクールとは違うので、英語が全く分からない韓国人用。逆に我家の様に、英語が母国語の子供にとっては簡単すぎるけれど、韓国語と半々な感じなのでゆるく韓国語を学びたいなら使えそう。

韓国に来たばかりの時期に色々見学をしていた際、息子たちが「ここがいい」という気持ちになった幼稚園に申請しようと決めていました。そのうちこの森幼稚園システムに出会い、まさにうちの息子たちの好み!案の定、長男はここを選びました。が、しかし、韓国語だよ。。。英語しか分からないボーイズ、翌年には次男も一緒に通うことになります。それに韓国語大嫌い!と豪語する彼なので、実は陰で色々悩んでいた私ですが、さらっと結論が出ました。本人が行くって言ってるんだから、何か彼の心に触れたものがあるのでしょう。そこで残る問題は一つ。どうせ英語系に行くと思っていた私は、予定より一生懸命韓国語を勉強しないといけない環境に置かれました。

ところで森幼稚園の教育は、基本的に全て自然に基づき、春夏秋冬の自然界について課題が組まれています。幼稚園敷地内の自然いっぱいの裏庭(というかちょっとした丘)で木々花々昆虫の生態を毎日観察し、木に触って会話する。

これはアメリカでもとても大切にしていた課題で、当時2歳半の長男が「プレスクールが赤ちゃんの学校みたいでつまらないから辞める」と言ってからは、ニューヨーク自然史博物館の家族会員になり、頻繁に子供たちを連れて行っていました。

そして、ここで有機栽培の話に移ります。子供達が通った森幼稚園には、園から車で20~30分の郊外に生態体験場というものを所有していました。園児がのびのびと遊べる場所。木々の間にロープを張ったアスレチックやハンモック、広い芝生、パラソル付きのテーブルとベンチがあり、夏にはBBQ。そしてメインの有機・無農薬栽培農園が併設されています。

普段は契約している農家さんが畑の面倒を見てくれていて、冬を除いて週に1度、学年別に子供達が農園へ行き作物をチェック。トマト、きゅうり、様々な葉物、ナス、ブドウ、きのこ類、ネギ、大根、白菜、唐辛子、ジャガイモ、色々ありましたよ。ここで作られたお野菜が、園の給食に使われます。大根、白菜、唐辛子。お気づきになりましたか?園児用に唐辛子は風味づけ程度の、辛くない白菜と大根のキムチを園のシェフが毎年仕込みます。裏庭の一角には、あのキムチ壺がずらりと並んでいました。仕込みの様子も園のSNSに写真がアップされ、勿論、化学調味料は無使用。現在の韓国で、手作りの自然発酵キムチがどれ程珍しく、貴重であるかは、皆さまの想像を超えるところだと思います。

キムチの乳酸菌が免疫向上に大切だと、いつも園長先生がおっしゃっていました。年に一度、親が給食を一緒に食べる日もあり、ビビムパ、スープ、キムチを頂きました。辛い物が苦手な私が頂けるキムチ、本当に美味しい!ボーイズも始め、キムチ類は苦手でしたが、美味しい園のキムチのおかげで大好きに。卒園後も園のキムチが食べたいと言われ、私もあの味は自家製しかないと思い、家で辛くない白キムチを作るまでになりました。

さらに収穫した日には、畑直送!全員にお家へ持たせてくれます。ひとりひとり綺麗にパッケージングして、その果物や野菜の栄養素、効能の説明付き。うちは二人年子なので、収穫の時期は沢山頂きました。子供が持ち上げられない程大きい白菜も!これで初めて白菜のキムチを作りました。「お母さんと一緒にキノコご飯を作る」なんていう宿題もありましたね。食事に関して気を使っている幼稚園で本当に助かりました。月ごとのお誕生日会は、ケーキとお菓子なしでやってくれて、その代わりに本をプレゼントしてくれます。体に良いお給食が食べられなくなるという理由と、ケーキやお菓子を食べすぎないようにという理由。韓国人は基本的に外食、お菓子、インスタント食品が大好き。しかしこの幼稚園では余分なものは与えない方針でした。

お給食のメニューが驚くほど充実していたことは言うまでもありませんが、なんと遠足のお弁当(定番の韓国海苔巻き、キムパップ)も園のシェフが準備してくれるのです。子供用に小さい一口サイズ!園と保護者専用のSNSに、1時間ごとに園児の様子やお弁当風景もアップしてくれました。ね、韓国の幼稚園、なかなかやるなぁと思いませんか?